■可視総合光線療法とは
治療用カーボンの電極をアーク放電させて、光と輻射温熱を病態や症状に合わせ素肌に直接照射します。
光の刺激と輻射温熱効果により、血行の改善、新陳代謝を促し人体にもともと備わっている自然治癒力を活性化させていきます。 また、多くの原因不明の難病に関係すると考えられている自律神経や免疫機能の異常を調整する作用も期待されています。
さまざまな症状や病気の回復、改善、健康維持のために可視光線療法が用いられています。
可視光線療法の光線は、太陽光線と同様に紫外線、可視線、赤外線を統合したフルスペクトル光線です。しかし、太陽光に比べ僅かな紫外線しか含まれておらず、また人体に有害とされる短波長の紫外線は含まれていません。
光線療法による人体作用
◎光化学作用
皮膚が光を吸収するとさまざまな産生物質が作られることが分かっています。その数は50種類以上にも及び、体の器官をコントロールする働きがあります。代表的な光産生物質の一つはビタミンDです。
ビタミンDの主な作用としては骨の強化、生活習慣病やアレルギー疾患の予防・改善、発がん抑制、インスリン分泌の調整など。
◎血行改善作用
可視光線と赤外線は身体を温め、紫外線は血管を拡張させるので血液循環を改善します。
冷えやストレスなどで過緊張した交感神経を緩め、副交感神経を刺激して自律神経のバランスを調整します。足裏からの光線照射で抹消部位から体全体の血流を良くします。
◎生体リズム調整作用
私たちの身体には生体リズムがあり交感神経・副交感神経の切り替えを自動的に行なって身体の機能を調整しています。この生体リズムの調整に太陽の光が大きく関係していると言われており、現代人は特に太陽の光を浴びる時間が少なく不規則な生活習慣により生体リズムの乱れからくる不調を抱えている人が増えています。
可視光線はメラトニンやセロトニンなどのさまざまなホルモンの分泌を促し、不眠・時差ボケ・季節性うつなどの改善にも作用します。
◎免疫増強作用
血流の向上や体温の上昇により、体内に侵入した細菌や体内で生じたがん細胞など、身体にとって有害な異物を処理し排除する働きをする白血球や免疫細胞の働きを向上させます。また身体にとってのバリアとなる粘膜の強化にもなるためウイルスや感染症などの予防にも繋がります。
また多くの原因不明の病気や症状に自己免疫異常が指摘されており、可視光線療法による免疫機能の調整作用はこれらの症状の軽減が期待されています。
◎神経機能改善
身体の抹消部位への血流向上により神経を活性化させます。末梢神経の回復促進や神経機能改善により、手足のしびれや痛みの改善に有効とされています。
◎睡眠改善
身心の緊張や冷えは質の高い睡眠を妨げてしまいます。可視光線療法により血流改善や自律神経のバランスが調整され、身心をリラックスさせることができます。睡眠に関わる脳内ホルモンの分泌を促し、心地よい睡眠と疲労回復につながります。
◎呼吸機能改善
可視光線療法により血流や循環が高まると呼吸機能に関わる筋肉を柔らかくして動きやすくするので呼吸が深くなります。また赤血球も酸素運搬能力が高まりより全身に酸素を届けることができるようになります。
◎利尿作用
血液を濾過し老廃物を体外へと排出する働きをしているのが腎臓です。可視光線療法により腎臓への血流が良くなり、腎臓自体の働きを向上させるので、利尿作用も高まり、心臓病や高血圧、腎臓病、むくみ、夜間頻尿などの改善にもつながります。
■可視光線療法が注目される理由
可視光線療法が注目される理由、それは現代人の生活習慣の変化とホルモンバランスや免疫機能異常が要因と考えられる不調の増加にあります。
日常生活の中で身体を動かす機会と太陽の光を浴びることが著しく減少しており、知らずしらずのうちに生体リズムや細胞の働きが弱くなってしまっているのです。
太陽光と関係が深いと考えられているものの一つがビタミンDです。
ビタミンDは、カルシウム代謝調節に関与し、カルシウムの吸収を促進して骨組織を強化し、骨粗鬆症、骨軟化症などの予防に重要です。また骨だけでなく小腸、肝臓、膵臓、胸腺、副甲状腺、皮膚、生殖器など、全身に運ばれて生物学的作用を発揮するため、細胞の基本的な機能を調節するホルモン的な物質ととらえられています。
細胞レベルの研究では、ビタミンDによる種々のガン細胞の増殖抑制が確認されています。日照量とガン死亡率の関係についての研究で、日照量の少ない地域や大気汚染のひどい地域では、大腸ガン、乳ガン、卵巣ガン、前立腺ガンの死亡率が高く、逆に、日照量の多い地域では、ガン死亡率が低いという結果が明らかになっています。他にも、生活習慣病、アレルギー疾患、皮膚病、糖尿病、感染症などに関係していることがわかってきています。
特に女性は紫外線を避けるために、衣類や化粧品で肌を必要以上にガードすることにより体内のビタミンDが不足がちです。ビタミンDは、太陽光線を浴びることで皮膚で産生のプロセスがスタートします。ビタミンDは、食事からも摂取できますが、食事からの摂取は不足しがちですので、成人女性の約50%が体内でのビタミンD不足との報告もあります。
骨粗鬆症や転倒からの寝たきりが問題視されるなかで、ビタミンDの重要性が見直されており、このような状況から長時間でなくても構わないので、日常的に太陽光線を浴びることが必要になるのです。